ちあきのメッセージ 絵本のアイデアがうまれるところ

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絵本のアイデアが生まれるところ  
 by ちあき

〜精神科診療所時代に出会った子どもたち〜
 (聞き手 きたの)

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き:絵本のアイデアはどこからくるんですか?
ち:精神科の診療所で看護師として8年間くらい働いてて、そこで出会った子どもたちのことが
  大きいんかなと思います.
  そういう子どもたちが、ほんのちょっとでも元気になれたら・・・みたいな思いが
  ずっとあって、「ボクのせいかも」の構想ができたんかなて思います.
  うつ病のお母さんが、少しでも休めるようにって、週末は自分から親戚のところにいく
  兄弟とか.まだ小学生ですよ.
き:切ない話ですね・・・
ち:そんな子が、診療所にはいっぱいいたんですよ.親の薬をとりにくる小学生とか.
  町の診療所で、みんな歩きとか自転車とかで来れる距離やったから.
  そんなん、いいわけないけど、でもどうにも、どうしようもない現実があって・・・
  小6の女の子で、母親の薬を管理してる子がいて、わかりやすいようにって袋に
  カラーテープ貼ったりして.
  受診の度に、母親の様子を伝えてくれて、「自分がもっともっといい子でおらな.お母さん
  に迷惑かけへんようにしな」ていつもそんなふうに考えてたなあ.
き:県立の精神病院とかで働いていると、患者さんたちが遠くから通ってきてるし
  そのお子さんたちと会う機会ってほとんどないので、病棟の面会もお断りしてるし
  子どもたちのこと、考えたこともなかったように思います・・・
ち:小2の子もいましたよ.薬とりに来てる.母親が、療養のために実家に帰った後、具合
  悪くなって連絡がくるかもっ心配で、学校にも行けへんくなって・・・
き:たくさんの子どもたちと向き合う中で、思いが積み重なっていったんですね.

ち:大人が思っている以上に、子どもたちは、いろんな工夫をしてほんまにがんばってる.
  誠実に向き合って、信じられる大人の存在を、少しでも伝えられたらなあと思って.
  最初に、子どもの名前は絶対に間違えへんようにカルテに書いて、覚えて、誕生日もメモ
  して、誕生日には、ちょっと元気になる『お守り薬』って言って袋に包んで、あめ玉を
  プレゼントしたりしてました.
き:なんか、ちあきさん作の紙芝居にでてくる「はちみつ入りのホットミルク」みたい.
ち:自分が子どもだった頃、似たようなことを小児科の先生にしてもらって、それがすごく
  嬉しかった.この話はまたの機会にゆっくりしますねー
ち:患者さんたちの予約の時間は自分が調整してたんで、キッズが集まる時間とか意識して
  作ったりしてました.
  大人の中でひとりぼっちにならへんようにって.
  待ち合いでおしゃべりしても大丈夫な時間帯を作って、カウンター越しに声かけたり
  子どもは事務室の中に入ってもいいルールにしたり.
  ひとりぼっちやないでえ、てことを伝えたかったんかなて思います.
き:(ちあきさんの、普段の子どもたちとの関わり、そのあたたかさって、こういうところから
   きてるんやなあ、としみじみと感じます・・・)

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き:最初の絵本、プルスアルハの原点でもある「ボクの冒険のはじまり」はどこから出てきたん
  ですか?
 (「安心できない家庭の中でもがんばっている子どもたちを応援するためのプログラム」
  の導入のために作った作品のこと)
ち:海外の絵本は、なんか違うなあ・・・と.文化が違うし、どうしても日本には馴染まへん
  とこがあって、それでもっと日本の子どもたちに合ったいいものを作ろうと
  それも、子どもに近い目線で.
  最初は、大人目線のお話の構想だったんやけど、それはどうしてもしっくりこなくて・・・
  ちょうど、個人的に慌ただしい時期で、新幹線の中でアイデアがすすすっと降りて来たん
  ですわ.
き:最初に「ボクの冒険はじまり」のラフスケッチが現れたとき、職場に衝撃が走りました.
  なんかスゴイことが始まりそうな・・・(?) 予感的中でしたけど.
  子どもに近い目線で書かれているところが、実はこれまでにあまりない視点で、そして
  すごく大切な視点なんだと思います.
  そこから、「ボクのいもうと」「ボクのせいかも」と、とんとんとアイデアが・・・

き:ちあきさんが、一番伝えたい思いを最後に聞かせてください.
ち:子どもたちに、自分の人生大切にしていいんやで、ていうか.自分の好きなことやって
  ええねんで、子どもらしくていいんやで、夢を諦めへんくっていいんやでって・・・
  そんな小さな胸ん中に、しんどい思い1人で抱え込まんでもいいんやでって、誰かに相談
  したり泣いたり笑ったり、難しいけどなあ〜してもいいんやでって.
  そのためにも、親の病気は自分らのせいじゃないんやでって、ちゃんと病気の説明をして
  子どものせいではないことを伝えることが、とても大切だと思います.


    (最後まで、読んでいただき、ありがとうございます.少し読みづらかったかと思いますが、細尾ちあきの少し標準語の
     混じった関西弁のニュアンスをそのまま載せました.きたの)


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